非常勤講師の現実

今月の物理学会誌に,非常勤講師の実態の話が出ている.
統計データもいいが,このような具体例の方が深刻さがよく伝わってくる.

記事は,このサイトで見ることができる.

大学には,毎年論文も書かずに,先生と言われている人が結構いたりするのだが,入れ替えができないのが現実.
また,厳しい現実を反映してか,最近入ってくる助手は,研究者として非常に優秀な方が多い.

少子化時代を迎え,大学としても生き残りをかけているだけに,この人事問題は後回しになっている.実際,退官の後に空いたポストを大学はすぐには埋めない.最低でも1年間は空けたままにしておく.いわゆる凍結だ.1年間の給料を払わなくて済むというのは,大学にとって大きいからだそうだ.また,非常勤講師もできるだけ減らすように,指導が入っている.(以前ほど,毎年言われなくなったが.)

暗い話ばかりで,すみません.私の周りにもポスドクの人はいるけれど,大学の職に固守しない方がいいかもと思う.いろいろな生き方があるんだし,研究以外の生き方もあると思う.大学院の定員拡充も,この問題の原因になっていると思う.各大学の博士課程では,定員を埋めるのに必死になっている.

せちがらい世の中になってしまいました.