「数学の普及に貢献した」という表現は変だよ!
昨日,asahi.comに,「マス北野」さんに日本数学会が「出版賞」という記事が掲載された.日本数学会の原文は,次の通り.
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北野 武
番組「たけしのコマネチ大学数学科」など社会に広範な影響を与るテレビメディアを通じ、数学の魅力や美しさを娯楽性を兼ね備えた形でわかりやすく伝え、数学の普及に貢献した。
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とても違和感を感じるのは,「数学の普及に貢献した」という表現である.文章を読んで違和感を感じた場合,私は,他の単語に置き換えて考えてみる.
- 物理の普及に貢献した
- 化学の普及に貢献した
やっぱり変だ.物理の普及・化学の普及などという表現は使わないし,使っても非常に違和感がある.試しにGoogleで検索すると,次の通り.
- 物理の普及に貢献した 0件
- 化学の普及に貢献した 1件
- 数学の普及に貢献した 270件
やはり,数学だけの表現のようである.さらに,Googleで,「普及に貢献した」を検索すると,「DVDレコーダーの普及に貢献した」「USBの普及に貢献した」などのように,技術系,とくに標準化に関する表現として使われていることが多い.
数学は普及が必要な学問であるということなのか.そして,それを芸能人などの専門家以外の有名人の力を借りなければいけないことは,少し悲しく感じます.