理科系の研究者がブログを書くということ

標題の件について,とりあえず,考えられる欠点と長所.

欠点
日々研究のことを考えているので,ブログで書きたくなる内容も研究の話になりがちである.しかし,その研究の話(特に,アイデア)が,ブログを通して,同分野の他の研究者に知られ,先に論文にされてしまう可能性がある.研究では,誰が先に発見・発明したかということが重要視されるからだ.

論文を書いてから,ここに書けばいいのかもしれないが,書いてしまった後は,自分の思考のなかで,ある程度,燃え尽きたあとなので,書く気が起こらない.たとえて言えば,新しい商品を買う前に,どれにしようか迷っているときは楽しいが,買ってしまうと,買う前の楽しさがなくなることと,少し似ている.取捨選択して書けばいいかもしれないが,取捨選択そのものが面倒で,そこまでしてブログを書く意味があるかとも感じるが,下記の長所に強く惹かれる.

矛盾しているかもしれないが,研究は悶々と考え苦闘しているときが,最もおもしろい.なぜなら,その後にある新しい発見の快感により,脳のなかでドーパミンが大量に放出され,すばらしい経験として強く残るからである.あの快感をもう一度と思い,次の研究に意欲を駆り立てられる.


長所
個人あるいはグループ単位で進める従来の研究とは違うスタイルの研究の可能性がブログにはあると思う.自分が知らない人や世界からのリアクションが,研究上,大きな発展につながる可能性がブログにはあると強く感じている.


上の2つ(欠点と長所)が,頭のなかで行ったり来たりして,ブログを書くことを躊躇していたが,とりあえず,そのような迷いをここに書いてみた.

上の欠点を解消し,長所を生かす,うまい仕組みを作れればと思う.いつか納得・解決できれば,実名で研究日誌を書くのも悪くないと思う.(将来の自分への提言)